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女性社員の活用が企業にイノベーションを起こす

恩地食品株式会社 / 代表取締役 恩地 宏昌

2013.01.07

現在の激動の時代、食品業界においては美味しいものが売れる時代ではなくなってきました。

健康志向・価格志向の強い中、弊社商品をスーパーで買って頂いているのは、ほとんど女性です。 弊社は、健康志向・価格志向の商品開発に取り組んでおりますが、消費者に買ってもらえる(トライアル)力が低いのが弱点なのです。 買ってもらえればリピートはあるのですが、如何せんコンセプトやデザインが弱点だったのです。

 

そこで、女性だけのプロジェクト「プチ・エンジェル」を発足しました。リーダーは、25歳の3年目の女性で、あと23歳から58歳までの5人のエンジェルたちです。

そして、女性の感性を生かした商品開発を目指した社長直轄のプロジェクトで、報告は求めますが社長からの意見は一切言わず(社長が意見を言ったら微妙に左右される)部下にも一切口を出すな!!(おっさんは口出しするな!と指示を出した)しかし、部下には彼女らの要望は可能な限りこたえるようにとも指示を出しました。

 

まず、エンジェルたちは市場調査を行って社長に報告してくれました。「社長、うどん売場って殺風景ですね!!約20年こんな売場やと思っていた私に取ったら、えっ?そんなの感じたことはなかったので驚きました。考えたら、うどん売場もたとえば伝統食品の豆腐売り場も白ベースの地味な売り場だなぁ・・・と」(納得)

 

また、エンジェルの若い女性が現場に商品開発の要望をしたら(今までは男性リーダーが要望しても出来ない・難しい・効率が悪い・・・と断っていた)その要望に応えるどころかそれ以上の提案を現場がしてきたそうです。製造現場の社員も開発のポケットをたくさん持っていたのです。 ということで、若い女性の要望に期待以上に応え、「プチ・エンジェル」の新商品が開発されました。 女性が製造現場の力を引き出してくれて、まさに現場のイノベーションが起こったわけです。

そして、お得意先のバイヤー様に提案したら、コンセプトも面白いしストーリーがあり、デザインも女性好みと大変興味を持たれ定番商品として採用されて行ったのです。 本当に女性の感性・バイタリティ・行動力の凄さに感服致しました。

 

弊社の人材育成は、女性プロジェクト「プチ・エンジェル」から変革を起こしました。

もちろん社員のモチベーションも上がりコミュニケーションもより深くスムーズになり売り上げも回復していきました。

女性が会社を変える時代です。女性を生かした企業づくり、組織づくりをさらに進めてまいりたいと考えております。

恩地 宏昌
昭和37年12月20日生まれ
【昭和52年】
枚方市立枚方中学卒業
【昭和55年】
大阪府立枚方高等学校卒業
【昭和61年】
桃山学院大学経営学部卒業
【昭和61年】
株式会社タカキベーカリー入社[広島県]
【昭和63年】
同社退職
【平成元年】
恩地食品株式会社入社
【平成3年】
中小企業大学校関西校 後継者コース
【平成5年】
恩地食品(株)常務取締役就任
【平成15年】
恩地食品(株)代表取締役社長就任[6月1日付]
【平成17年】
立命館大学大学院 経営学研究科博士課程前期修了[MBA]
【平成24年】
北大阪商工会議所青年部会長に就任