2013.10.30
熱中症が日々報道された夏も終わり、一足飛びに朝晩寒さを感じ、夜空に多くの星を眺められる季節になりました。この季節の変わり目に訪れた今年の台風は、伊豆大島をはじめ各地に甚大な災害をもたらしました。被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
異常気象、大震災、原発事故の終息など私達が抱える問題は多く、これまで培ってきた技術やノウハウだけでは対応できない課題が山積みではないかと感じます。
中小企業がひしめく大阪では、商工会議所が主催する「大阪勧業展2013」が開催され、台風による雨の中、多くの来場者を迎えました。科学、エネルギー、環境、建設、IT、通信など12分野、340団体余りの出展による盛況な2日間(10/23.24マイドーム大阪)でした。
このような展示会では、多分野での個々の産業の成果を目の当たりにすることで日頃、手元しか見えていない自分たちのビジネス範囲の狭さを実感してしまいます。
弊社も、IT&サービスの分野で業務アプリケーションを出展し、来場者からの手応えを得ることができました。このような展示会などには、予算が許す限り積極的に参加し、若手にその対応を委ねることを心掛けています。
ソフトウェア開発という比較的外部との接触が少ない日頃の業務環境の中で、自らが自社商品のアピール方法を考え、来場者に如何に目を向けていただけるかという努力は、座学では得られない経験と考えています。
どんな質問を受けるのか、どのようにお答えすれば納得いただけるのかなど、立ち話程度のわずかな時間を有効に活用する努力は、よい経験になると思います。
コミュニケーションの取り方や提言・接客対応など、いくら説明を受けても実際のビジネスの場でそれを実践し、うまくできるとは限りません。その場で来場者の質問を理解し、それに的確にお答えしなければならないという緊張感は、人材育成に打ってつけの場だと感じます。 上手く応対できた時の満足感、お客さまに振り向いていただけなかった時の空しさなど、直接的営業成果をもたらすものではありませんが、そのような経験が、ビジネスの場でのコミュニケーションの感覚を少しずつでも身に染みついていくのではないでしょうか。
機能的体系化が進み、あらゆる技術やノウハウが完成の域に達しつつあるこの社会において、マニュアル的な仕事だけでなく許される範囲での失敗を経験するのも重要ではないか感じます。
また、出展された各社の技術やノウハウを融合、集大成できる社会的仕組みがあれば、更に大きな産業発展が望めるのではないかと考えつつ、夕日に輝く大阪の黄昏を眺めていました。