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経営力の源泉「人才」(その2)

栄業学研研究会を主宰 / 阪本 亮一

2014.03.07

「栄業学」は、経営の主軸を「ヒト」におく。経営資源を活用して、企業を繁栄させてくれるのが「ヒト」である。ところが日本企業は「ヒト」を「人才」にせず劣化させている。企業は非正規社員を増やした結果、技能の習熟度が低くなった。技術の伝承も進まない。そして、作業のばらつきや時間あたりの生産性が低くなっている。

また、正社員と非正社員のコミュニケーションが行われず仕事の齟齬をきたし、かえって生産性を悪化させている。

経営資源は栄業学の立場では、人はその才能を活かされる“人才”という捉えかた方をする。従来の経営書において人を「人材」「人財」と捉える(「材料」「財産」とする)。

「ヒト、モノ、カネ」は経営の3資源と言われるが、「ヒト」を資源と発想する経営者の企業は「長寿化」できない。「モノ、カネ」は大切な経営資源だが、「栄業学」は「ヒト」は資源でなく経営の「協働者」であると考える。そして、企業は人を豊かにするためにあると考える。そして、経営は人を豊かにするために行うものと考える。多くの経営者の「我社はヒトを大切にする。人材を活かす」という発想は「ヒトを資源」と発想していることを如実に表しているのである。いや人材よりもっと大切な「人財である」という。これも人を金銀財宝と同列に置く考え方なのである。ヒトを材料で「人材」や、財産で「人財」である。資源財産だから大切にすると言っているのである。

栄業学は「ヒトは、その人であり、“固有の能力を持つ存在”であると認識している。故に人は単なる資源ではなく、企業を繁栄させる「協働者」と捉えるのである。また、経営は、ビジネスの場面で「人の才能を活かす」と考えて、「人才を活かす」と言う考え方を提唱する。「才能に気づき、才能を活かす」ことである。

「人材、人財」は企業と社員の硬く冷たい関係、「人才」は心で繋がるホットな関係である。会社は人を活かさせてもらうという「謙虚な気持ち」をもち、社員は協働者として社業に貢献すべきである。それが自分自身の期待に応えることにもなるのである。

最後にダーウィンの進化論にこそ進化を続ける経営のヒントがある。

「強いだけでは、生き残れない。」「 力任せで、強引で、柔軟性に欠ける。」

「賢いだけでも、生き残れない。」「過去の成功手段に拘り、改変ができない。」

「変化できた者だけが生き残る。」「挑戦、進化。恐竜は鳥類に進化して生き残った。」

 

栄業学研究会は“進化の経営”の実践を目指している。

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<栄業学研修セミナーのご案内>

テーマ:「人才を育成するーイノベーション力をつける」

能力開発には、様々な方法がありますが、単に能力を(知識、スキル)開発を目指すだけでは、イノベーションは起こせません。イノベーションで大切なのは「持っている能力を上手く組み合わせて、成果を生み出す”能力の活用力”」なのです。できる人は「成果を産み出す人」なのです。

日時:2014年4月11日(金) 18時15分~20時30分
会場:「N総合会計(中島幸子税理士事務所) 5階会議室」-中央区安堂寺町2-1-10
連絡先:06-6763-3995
問合せ:平野 hirano@n –office.gr.jp
会 費:3,000円(懇親会 軽食 飲料費込)

阪本 亮一(サカモト リョウイチ)
1937年 大阪千日前生まれ
近畿大学理工学部卒業。大阪府布施市役所職員を経て、26歳で独立GEエアコン販売会社を設立し社長となる。1971年明治生命入社、連続20年優秀成績表彰受賞。現在は、東大阪ブランド評議員兼アドバイザー。営業コンサルタントとして利脳深耕研究所を主宰。若手経営者と共に栄業学研研究会を主宰。