2014.01.08
年始なので前向きに少しワクワクできる話にしたいと思います。
2013年は訪日客がやっと1,000万に達することになりました。韓国の外国客はすでに1,000万を超えています。イタリアやスペイン、フランスは5,000万人オーバーです。数字は単に人数ですが、重要なのはX滞在日数です。開港いらい低迷する関西空港、伸び悩む関西の観光業。少しでも役に立てればと思います。
世界の中の関西ってどう映っているのでしょうか。多くの国で関西の説明をすると平均的な反応としては「ぜひ、行ってみたい」、「知らなかった」という言葉になります。関西の中にいると関西の良さがあたりまえになっていて気づきません。しかし、世界平均で考えると関西は類まれな魅力が狭いエリアに凝縮された地域なのです。
分かり易いように関西と有名観光都市の地図を同縮尺で並べてみました。縮尺が違っているのではないかと思われるくらい、パリおよびその近隣、マドリッドおよびその近隣であらわされる面積に関西はスッポリ入ってしまいます。ロサンゼルスだけで関西全域が入ってしまうのです。関西全体で一つの大きな市として想像して欲しいのです。
<パリ>
<マドリッド>
<ロス>
<関西全域>
そしてこの関西にあるものは、1.「都市」2.「世界遺産」3.「海、湖、自然」4.「食」5.「伝統芸能から現代アート」6.「ものづくり」7.「交通インフラ、国際会議」と観光スポットが7つにも及びます。今回は、最初4つの観光スポットについてご紹介します。
1. 「都市」
世界遺産の京都、奈良、そして大阪、神戸とワールドクラスの観光都市があり、大津、姫路、和歌山、堺はじめ観光都市を目指している市が多数存在します。しかもそれぞれの都市の性格、歴史、街並が非常に個性的なのも特徴です。京都に来て感じた日本と大阪で感じた日本、奈良で感じた日本、神戸で感じた日本が違いすぎるのです。
個々に世界に誇る観光資源があるのです。 もちろん第一は京都でしょう。1,000年の歴史を伝統文化はまさに日本を代表するものであり、文字通りの第一級の世界遺産都市です。世界中の100万都市の中で、唯一街中を清流が流れる都市でもあります。同じく第一級の世界遺産で時代的にもさほど変わらない奈良ではその表情は全く変わってきます。街の中心に鹿が住む公園と春日の原生林が存在するのです。歴史にプラスアルファーされる要素がとても大きいのです。省略しますが大阪、神戸もまた個性的であることはいうまでもありません。違ったタイプの都市が至近距離で、繋がっている特殊な地域が関西なのです。
2. 「世界遺産」
この関西には5つの世界遺産があります。
古都京都、古都奈良、法隆寺地域、紀伊山地の霊場と参詣道、姫路城です。新幹線で1時間の距離に原爆ドームと厳島神社があります。この数は世界的にも高密度です。また、日本政府が申請することはないでしょうが、第一級の世界遺産になれる伊勢が東にあり、他にも姫路城と比肩される彦根城、仁徳陵や応神陵、飛鳥村、北には金沢が、西には瀬戸内海が世界遺産候補として控えています。
3. 「海、湖、自然」
地図を見ていただくとその特別な地形がわかります。日本海、瀬戸内海、大阪湾、紀伊水道、熊野灘(太平洋)、伊勢湾、そして琵琶湖。それぞれ特色があり、表情が違う海が関西をすっぽり囲んでいます。このような地形は世界にも見当たりません。地図を比較していただくと分かり易いのですが、これらの海に囲まれた土地に、多彩な山々、川、里山、田畑があり、自然と人の営みが共存した長い歴史と伝統、文化を併せ持つ都市、農村、漁村、山村がコンパクトに集約されているのが関西です。 まるでJAPANテーマパークです。
外国人が期待している一つが日本の温泉です。温泉施設だけではなく、温泉を中心とした歴史ある街の形成がたまらなく魅力的なのです。有馬や城崎、白浜と日本を代表する温泉が大都市から至近距離にあるのです。聳え立つ高山や大峡谷などの目を見張る自然はありませんが、日本らしさを感じさせる自然景観にも事欠きません。万葉集にも名前が出てくる山々や河川などの景観があります。また関西には自然と共存している農村や里山集落が多いのです。大都市近郊でも簡単に日本の田舎体験ができるのです。
4. 「食」
世界遺産となった和食はもちろん京都が推進力でしたが、京の和食を支え、共存しているのが関西です。前項の海の幸だけではなく、牛肉だけでも松阪、神戸、但馬、近江と多彩です。地元野菜にも色とりどりにあります。地域によっての食も特徴があり、A級B級を問わず食の宝庫であることに間違いありません。関西を訪れた外国人が、毎日3食違うものを食べ続けても関西では飽きることはありません。こんな場所も世界にありません。
次回は、残りの3つの観光スポットについて(5.「伝統芸能から現代アート」6.「ものづくり」7.「交通インフラ、国際会議」)ご紹介いたします。
ご期待ください。