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~関西は世界一(下)~

株式会社ミレーノ(ミレーノツアー)取締役 / 上田 豊

2014.01.24

前回の続きです。

この回からご購読いただいた方のために、前回の冒頭部分を掲載しておきます。

 

世界の中の関西ってどう映っているのでしょうか。多くの国で関西の説明をすると平均的な反応としては「ぜひ、行ってみたい」、「知らなかった」という言葉になります。関西の中にいると関西の良さがあたりまえになっていて気づきません。しかし、世界平均で考えると関西は類まれな魅力が狭いエリアに凝縮された地域なのです。

分かり易いように関西と有名観光都市の地図を同縮尺で並べてみました。縮尺が違っているのではないかと思われるくらい、パリおよびその近隣、マドリッドおよびその近隣であらわされる面積に関西はスッポリ入ってしまいます。ロサンゼルスだけで関西全域が入ってしまうのです。関西全体で一つの大きな市として想像して欲しいのです。

<パリ>

pari map

<マドリッド>

mad map

<ロス>

los map

<関西全域>

osa map

そしてこの関西にあるものは、1.「都市」2.「世界遺産」3.「海、湖、自然」4.「食」5.「伝統芸能から現代アート」6.「ものづくり」7.「交通インフラ、国際会議」と観光スポットが7つにも及びます。

 

今回は、残りの3つの観光スポットについてご紹介します。

 

5. 伝統芸能から現代アート

能、狂言、歌舞伎に茶道、華道、日本舞踊、文楽など、日本を代表する伝統芸能も関西に存在します。外国の人たちが非常に興味を示す材料です。特に民度の高い外国人は日本文化に対する理解も造詣も深いのです。祭りにも多くの外国人を見かけます。薪能や古武道の会場にも多くの外国人を見かけます。もちろん現在の音楽や芸術にも興味を持っています。今、国立文楽劇場がピンチです。我々がウイーンに行くとオペラやコンサートに行きます。ニューヨークやロンドンではミュージカル、アジアでもバリ舞踊やケチャなどの伝統芸能、中国で京劇と日本人観光客は、その地に行けばその地の芸術に触れたいと思うのです。美術館、博物館も訪れます。文楽に訪日客を動員するべきだと考えます。外国人でも文楽を楽しむことができます。正しくインフォメーションすれば、多くの訪日客がルートに組み入れたいと望んでいるのです。

6. 「ものづくり」

関西は、今なお伝統工芸を継承しています。古代からの「ものづくり」の中心です。近代の世界的企業も多くは関西から始まり、現代においてもその「ものづくり」精神が脈々と流れる土地です。現在の東大阪を始めとする中小企業の底力も長い歴史のたまものではないでしょうか。世界をリードしてきた日本の「ものづくり」の技術、精神は決して下降してはいません。外国のビジネス客が容易に勉強や商談に来ることができる環境づくりが重要だと感じます。

7. 「交通インフラ、国際会議」

最後に特筆すべきものが交通インフラです。地図の比較でもお分かりいただけると思いますが関西地区の交通システムは、世界に類を見ないほど発達しています。全ての乗り物が京阪神を中心に網の目を広げています。地図以上に距離が近いのです。頻度も路線網も正確さも世界に誇ることのできるものです。

また、世界基準の国際会議場、国際大会の可能な運動施設、音楽ホールや劇場も各都市が持っています。水族館だけでもワールドクラスのものがいったいいくつあるのでしょう。

 

結論的に関西に海外の人が来ない理由は、関西という土地にはありません。厳しく比較しても世界屈指の観光エリアなのです。先日も大阪市がミラノで大阪市観光のアピールをしたと小さなニュースがありましたが、狭い関西の中での小さな大阪市のアピールするメリットが理解できません。関西そのものをアピールする必要性を痛感します。少なくとも統一された関西観光局だけは必要ではないでしょうか。府県、市の行政の範囲を超えないと関西空港は飛ばないままです。行政がしないのであればNPO関西観光情報センターでも設立したいくらいです。関西のもつ魅力、パワーを総合的な基準で海外に正しく発信するだけでハイレベルな外国人から訪日してくれます。関西1週間、関西1か月、関西1年が海外の人々にとって魅力的な滞在であることはまちがいありません。

観光に、ビジネスに、会議に、交流に5,000万人の外国人が訪れるべき要素を関西はすでに持っているのです。

 

2024年の初夢ですが・・・ 

伊丹空港跡地に関西州都兼日本の副首都が完成しています。京都、大阪、神戸の中心に位置する伊丹空港跡地は、アクセスも便利で東海道リニアに先駆けて完成した関西空港リニア10分で関西州都と結んでいます。訪日客も5,000万人を超え、その多くが、4本の滑走路が24時間稼働している関西空港から関西各地に分散していきます。対岸の臨空タウンには関西メッセが開設され、国際見本市が多くのビジネスマンを集めています。隣接されたものづくり特区には多くのラボとビジネスセンターがあり、海外からの訪問客との商談に忙しい状態です。また関西の大学では、その学生数の半分を外国からの留学生が占める大学が増え、授業も多言語を使用して行われています。

とっても元気な2024年の関西がありました。

 

<最近の筆者>

ueda photo

 

<ダーツのワールドカップ>

 

world cup  photo

 

上田 豊(ウエダ ユタカ)
1956年生まれ
大阪府立八尾高校、関西学院大学社会学部卒
株式会社ミレーノ(ミレーノツアー)取締役
大学や研究機関、スポーツ、芸術分野を中心とした旅行業に従事。

現在 一般社団JSFD(日本スポーツフェデレーション・オブ・ダーツ)理事。

2007年よりダーツ日本代表監督。2017年ダーツのWDFワールドカップを神戸招致に成功。 

日本バリ教育文化交流協会理事。

ミレーノツアー:http://www.milleno.com
一般社団JSFD:http://www.jsfd.or.jp
日本バリ教育文化交流協会:http://www.j-ba.org